GAY PARADE

 今日は、先日気になったB.B.KINGを見ようと、インターネットでチェック。しかし、しかし、悲しいことに、B.B.KINGのステージは昨日で終わりだった。あんなミュージカルを見るくらいなら、出かける前にインターネットをチェックして、B.B.KINGを見るべきだったと激しく後悔。

 ま、いつまで後悔していても始まらない。今日は昼間からミュージカルを楽しもうと、外に出たのだ。。。。しかし、何故かアパートの前の道路が人だかり。その上、道路と歩道の間には鉄のフェンスが備え付けられている。何が始まるのだろうと、周りを見回すと、「GAY PRIDE」の横断幕。回りの人たちはレインボーの旗を手に手に持っている。ゲイパレードがあるようだ。近くを警備していた警官に「パレードは何時から始まるのか?」と聞いたところ「11時から2時までだ」とのこと。いつでも見られるミュージカルに行くよりは、こちらの方が面白そうだ。パレードでも見ようと、いったん部屋に戻った。

 1時半くらいに、再度、表に出てみると、アパートの前は黒山の人だかりである。そして、あちらこちらで、男同士、女同士キスしあっている。沿道でパレードを見物する人たちの全てがそのような傾向の人ってことはないが、確かに多い。筋肉ムキムキの男が3人4人と手をつないで歩いている姿は、ちょっと異様でもある。

 2時過ぎに、パレードの先頭がアパートの前を通り過ぎていった。バイクにのって、颯爽と登場した姿は、とても女性には見えません。

 その後、次々に色々な格好をしたゲイやレズ、そしてその賛同者達が通り過ぎてゆく。「ゲイにも権利を!」などと書かれた看板を手に、真剣に沿道の人たちに呼びかけているグループもいるのだが、仮装大会かサンバ大会と勘違いしているようなグループも多い。でかいスピーカーをトラックに乗せ、その上で踊り歌いまくっているのだ。ウェディングドレスをきたお爺ちゃん、お尻に1ドル札を挟んで走り回る青年。トップレスで堂々と歩いている女性も多い。(トップレスのお姉ちゃんやサンバ系の写真は、さすがにここには掲載できません。その他の写真を、お楽しみください。)

 その上、銀行のATM移動車もパレードに参加しているし、バレーボール協会だのホッケー協会だの、ゲイには全く関係のなさそうな団体までパレードに参加している。極めつけは政治家。数人の政治家がパレードに参加して、沿道の観客と握手をしていた。その中でもひときわ大きな歓声を浴びたのは、ヒラリー夫人。日本人だとこういうとき、冷めた目で政治家を見がちですが、アメリカ人はみんなおおらか。「オーーーーヒラリー!」と最高に盛り上がっていました。

 1時間ちょっとで終わるだろうと思っていたのに、パレードの一番最後のグループがアパートの前を通り過ぎたのは5時半。いや〜、みんな元気。私はさすがに、この炎天下。立ってるだけで、疲れてしまい、後半は部屋に戻って窓から見物。この暑さの中、3時間以上も踊り狂ってる人たちもいるのだから、さすがとしか言いようがありません。

 パレードの後にミュージカルを見ようと思っていたのですが、さすがに、この後にミュージカルを見る元気はなかった。どこかで夕食にでもしようかと外出。レストランを探すがどこも満員。パレードから流れてきた人たちで溢れかえっている。仕方がないので近くの和食屋へ。ここもいつもよりは混んでいたものの、他の店よりはまし。分厚いステーキでも食べたかったのですが、エビスビールでほっと一服。

 すると私の隣に一人の老婦人が座ったのです。白いTシャツに破れたジーンズ。なんてナウイお婆ちゃんなんだろうと思ってじっと見ていたら、なんと注文したのは、お酒とタン塩。お箸を使って随分上手に食べるんです。そこで、「日本に行ったことがあるんですか?」と聞いてみた。「83年に一度。」とのこと。「その後は円高になったものね〜。」というと「世の中、そういうものよ。結局はインフレが進んでいくのよ。」だって。

 その後も、このお婆ちゃんと会話。「今日のパレードは面白かった。あなたも見ましたか?」と聞くと、「パレードに参加して、50丁目からずっと歩いてきたわよ。途中で転んで、ここにこんな痣が。。。。わざと穴を開けてるジーパンなのに、転んで破れたみたい。」と、なかなか面白いお婆ちゃんである。お仕事はデザイナー。そして、彼女(あははは、彼女なんです。)と共同で仕事をしているらしい。

 なんだかんだと、話が盛り上がり気がついたら、10時過ぎ。「good night」と言って分かれた。それにしても、今日は今までで一番、『アメリカ』を体感できた一日かもしれない。GAYがアメリカの全てではないが、こういう人たちを受け入れてこれたのはアメリカだからこそという気がする。



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