床屋

 観光旅行で1週間NYに来るのと、3ヶ月間NYで暮らすことの一番の違いは、こちらで床屋へ行って髪を切らなければならないこと。これが一番おそれていたのです。髪をカットするのに、自分の思い通りのスタイルを伝えるのは、日本でも難しいことです。だから私はとにかく、同じ理容院に通って髪の質を覚えて貰うようにしているのです。

 super cutと書かれた看板を見て、何となくここならお洒落っぽいなと思って入ったのですが。。。。

 「どれくらい待ちますか?」と聞くと「5分くらい。」というので「じゃぁお願いします。」というと「後ろの席で待っていてください。」と長椅子の方を指さした。そこに座って、積まれている雑誌を見ると、これは日本と同じ。ゴシップ雑誌の山。ちらりと眺めていたら、すぐに、「こちらにこい。」と言われた。

 まずは理容師が自分の名前を名乗って「よろしく」と手を差し出す。この辺は、なかなかフレンドリー。そして「どのようにしますか?」というので「ハーフインチずつ全体的にカットしてください。」と頼む。先月に髪を切ってからほぼ1ヶ月。大体そのくらいは伸びているのである。

 「OK」と言って黒人の理容師はバリカンを持ってきて、ガンガン髪を切り始めた。ほとんどの部分はバリカンを使用。歯の部分が10種類くらいあって、それを取り替えながらガンガン髪をカットしていく。坊主刈りにされるのではと不安になるが、理容師は鼻歌を歌い、腰を振りながら、絶好調だ。

 頭の上の方はさすがにハサミを使用。一応、私の意図は伝わっているようだ。しかし、切り方はいい加減。パーマが残っていて髪の毛がはねている部分は容赦なくカットしていく。私の髪の毛は、硬いので短くするとはねるのだ。しかしはねた部分は、更にカットしていくので、どんどん短くなっていく。

 結局できあがったヘアースタイルは、横と後ろは刈り上げ、上は跳ね上がって、まるで佐竹のよう。なんか悲しい。まぁ仕方がない。「いくら?」と聞くと「チップ込みで15ドル。」とのことなので、言われた額を支払って出てきた。でも、髪の毛が短くなって、すっきりはしましたけどね。これから暑くなるので鬱陶しいヘアースタイルよりは良いかもしれません。


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