不便なEバンク

 日本でも多くの銀行がインターネットで、残高のチェックをしたり、振り込みをしたり、投信を購入したりといったことが可能になっている。とても便利になったものだと感じていた。インターネットだと海外からでも、なんの不便もなくアクセスできるので、NYに来ても何の問題もないだろうと考えていた。しかし、実際にこちらに来て、実は違うと言うことが分かった。

 私に利用しているEバンクの一つ、F銀行のサイバーバンキングのことだ。こちらに来て数日後。IDとパスワードを入力してENTERキーを押しても、私の口座に繋がらず、「パスワードが間違っています。」とエラー表示が出てくる。おかしいなと思って何度も入力したが、同じエラー表示だ。そして数回目のトライの時。とうとう「このパスワードは使えません。サービスセンターにご連絡を」との表示が出た。

 何故だろうと思いながら、キーボードを見回して、やっと理解した。CAPSロックがかかっていたのだ。このためパスワード入力時に違う記号として送信されたのだろう。パスワードは****と表示されるので、気が付かなかった。

 しょうがないので、サービスセンターに「ロックを解除して欲しい」とメールをうった。返事は「ロック解除の届け出用紙を送るので、その用紙に署名捺印して送り返して欲しい。」とのことだった。しかし、私は現在NY。印鑑など持参していないし、何せ、その用紙はこちらに送り届けられるはずもない。

 「現在一時的にNYにいるので、メール連絡で何とかして欲しい。」と再度要請。「 了解しました。ロック解除出来次第、メールにご連絡します。」との解答。さすが、F銀行。話せるジャン。と喜んだのだが。。。。

 1週間たっても、ロック解除の連絡メールが来ない。しびれを切らして、「いつになったらロックが解除されるのか」とメールしたところ、「ロック解除の届け出用紙を送付したか?」とのこと。え?だから、NYにいるので、それが出来ないからメールでやってくれとお願いしたはずだ。そのようにメールに書いたところ、「=ロック解除届け出用紙が届き次第=の一文が抜けていた。届け出用紙が提出されないと、ロックは解除できない。」との返答。そんな事を言ったって、印鑑など持参していない。NYで3ヶ月を送るのに印鑑が必要になると考える人などいるのだろうか。NYは全てサイン社会である。

 事情を説明し、なんとかメールでの確認でロック解除をお願いしたが、その後は「規定だから印鑑がないとロック解除は出来ない、」の一点張り。その上「ご家族にお願いしたら如何でしょう。」とのこと。馬鹿じゃなかろうか。家族が印鑑を取りに行けるくらいなら最初から、「メールでお願いします」とは頼んでいない。

 NYに来て、一番インターネットでの、口座管理が必要なこの時に、なんと杓子定規の解答だろう。「銀行は、晴れの日に傘を差しだし、雨の日に傘を取り上げる」と言われるが、その体質は今でも変わっていないらしい。

 結局、諦めるしかないのだろう。なんと不便なんだろうと思う。本人確認が出来ればよいのだからパスポートのコピーでも、免許証のコピーでも何でも良いと思うのだが、「届け出の印鑑でないと駄目。」らしい。こんな不便な銀行を使い続ける意味はない。帰国次第、ここの銀行の口座は、閉鎖して、もっと便利な銀行を探すとしよう。


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