スティーブ・ヴァイ

 新宿から丸の内線に乗ろうとした時の事。異様な集団が電車から降りて来たのです。全員口にマスクをしている。全部で100人くらい。そしてゾロゾロと階段を上り、改札を出て来たのです。列の周りには警備員らしき人が数名、張りついていました。あれは一体なんだったんだろう。。。。


 私が何故、丸の内線に乗り込もうとしたのかというと、赤坂ブリッツに向かうため。赤坂ブリッツでスティーブ・ヴァイのコンサートがあったのです。全席立ち見と言うのが気になりましたが、超ハイレベルのギターテクを見るためにはしょうがないのでしょう。

 ブリッツについた時には、もう開演間近。慌てて会場に入るとすぐに、ステージが暗転。大音量のギターの音とともにスティーブ・ヴァイが登場。すその長いシルバーのレインコートを着て、ロボットのような眼鏡をかけて、ギターを弾きまくっています。とにかく、指の動きが速い。凄まじい速弾なのです。

 メンバー構成は、ドラム、ベース、バックギター2台。そしてスティーブ・ヴァイ。一人のギターはキーボードもこなすのですが、キーボード、ギター両方ともかなりの腕前。スティーブ・ヴァイとツインソロの時にも引けを取りません。そして更に、もう一人のギタリストと3人が揃って前に出てきた時には、驚きました。なんと3人揃ってライトハンド奏法を始めたのです。凄いの一言です。

 トリプルギターのライトハンド奏法でたまげていたら、もっと凄い技がアンコールで登場しました。ギター3台+ベースの4名がライトハンド奏法をしたのです。ドラム以外はみんなライトハンド奏法・・・・。音楽の域を越えていますね。まるで、洗練された曲芸師の技を見ているような気になってきます。

 驚いたのは演奏力だけではありません。楽器も凄いのです。ハート型をした、トリプルネックを抱えてスティーブ・ヴァイが登場した時には、腰を抜かしました。ダブルネックのギターと言うのは良く見かけます。ジミー・ページだって、しょっちゅう使っていますからね。でも、トリプルネックというのは・・・・。左側に二つのネック。そして右側にもう一つのネックがボディから突き出しているのです。

 ベーシストも凄い楽器を持っていました。ベースとキーボードのダブルネック。ベースとギターとか、12弦と6弦のダブルネックというのなら分かりますが、ベースとキーボードのダブルネックなのです。そしてどのメンバーも、へんちくりんな楽器を使いこなしているのです。もう、笑うしかないと言った感じ。

 曲の合間には、凝った仕掛けも登場します。会場の両側から、くもの糸のようなテープが音楽に合わせて飛んで来たり。MCで会場を沸かせたり。ある曲の紹介では、作った時の事を紹介したいからと、通訳を連れてきて、学生時代の妙な体験を披露してくれました。バークレーズ時代にブーディーからドラッグを勧められて、この曲が出来たんだとのこと。

 二時間のコンサートはあっという間に過ぎていきました。ミュージシャンのコンサートと言うよりは、サーカスを見終わったときの充実感に似ていますね。本当に、凄いものを見せてもらいました。あんな風にギターを弾けたら、毎日が楽しいだろうなぁ。

 



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