お葬式


祖母が亡くなった
87歳の大往生で回りも覚悟は出来ていたので、葬式自体、悲壮感に溢れる物ではなかった。
生まれも育ちも浅草で、チャキチャキの江戸女だった祖母なので、威勢の良い、ある意味で楽しい葬式だった。
控え室で近所のおかみさん連が大声で祖母の思いで話をしながら甲斐甲斐しく働き回り、受付周辺は叔父の空手のお弟子さん達がオスオスと気合いの入ったお出迎え。出棺の際は祖母の詩吟のお弟子さん達がなんと詩吟で見送り、場内からは拍手喝采。

葬式で感動するのも変な話だが、感動した。いつもニコニコして、近所の世話がライフワークのような祖母の人柄がよく分かる式だった。

自分が死んだらどんな葬式になるのだろう。何人の人が心から花を手向けてくれるのか。せめて冥土から祖母に見られても恥ずかしくない人生を歩まなくては...




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